1998年に神戸のニュータウンで14歳の少年による衝撃的な事件が起きた。
20年が経ったいま、事件の直後に発表した『14歳の国』をあらためて上演することで20年の時間と、作品が描き出す「14歳」の姿がまた異なった色合いで浮かび上がるのではないか。世界は変わってしまった。私たちも変わった。そして、現在を構成する〈モノ〉や〈コト〉の変容が、あの時代、すでに萌芽していたのを知るにちがいない。
あるいは、学生を中心にした若い観客はなにを思うか。
登場するのは五人の教師だ。体育の授業中。生徒たちはグラウンドにいる。教師五人が誰もいない教室で「持ち物検査」をする。こっそり「持ち物検査」をする教師たちの喜劇的な姿を通して、舞台にけっして現れない中学生たちが描かれる。
私たちは、あの日のことを覚えているだろうか。
意識できる記憶だけではない、いつもは息をひそめ、ひっそりたたずむように身体に刻まれた時間がある。
『14歳の国』をいま上演するのは深い場所にあるそうした記憶を呼び起こすためだ。あの記憶は私たちになにをもたらしたのか。
作・演出
宮沢章夫
出演
大場みなみ、踊り子あり(はえぎわ)、笠木泉、谷川清美(演劇集団円)、善積元
日程
2018年9月14日(金)〜10月1日(月)
★=アフタートークあり。
※受付開始は開演の45分前、開場は開演の30分前。
スタッフ
音楽:桜井圭介
舞台監督:黒澤多生、伊藤新
舞台監督補佐:金岡大樹
舞台美術:佐々木文美
照明:小駒豪、高橋かおり
音響:和田匡史
小道具・学生指導:海老原翠
宣伝美術・web:相馬称
チラシ表面書影:宮沢章夫『14歳の国』白水社刊(装丁:斉藤いづみ)
記録:佐藤駿
スチール:坂内太
演出助手:大塚健太郎、高本彩恵、小林優太郎
衣装部:澤田靖子
制作:足立悠子
制作補佐:加治木仁美、矢島万智歩
当日制作:伊勢崎綾香
劇場制作:宮崎晋太朗
企画責任者:大前研二
協力:エースエージェント、エコーズ、演劇集団円、はえぎわ、Now Fashion Agency、早稲田中学校高等学校、新宿区立牛込第二中学校
製作:遊園地再生事業団、早稲田小劇場どらま館運営協議会